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今井愛管理栄養士の「健康コラム」

自分の血液は変えられることを知っていましたか?
第1回「血液検査は噓をつかない」


今の自分を素敵に変身させるためには、自身の身体の現状把握と対策作りが大切ですね。

  皆さんは、普段、自分の現状把握をどのようにして数値化していますか? 簡単なコンディションの現状把握の方法には、体重や体脂肪率の数値を確認したり、スイムやランニングのタイムを測るなどの方法がありますね。それらは数値に現れることで、自分の状態を客観的にみることができます。その数値から、その後の自分を目指して対策を立てていきますね。

  しかし、それらはあくまでも現象としてとらえる数値であり、その現象を起こしている身体の中身をすべて表しているものではありません。体重が増えたままなかなか落ちないとか、タイムが下がったままなかなか上がらない…など、その現象を起こしている根本的な理由は、体重やタイムだけではわからないのです。

データの見かた、わかりますか?

  さて、皆さんは、現状把握の指標として、「血液検査」の数値があることをご存知ですか?血液検査は、自分の身体状態を把握できるために、大変重要な指標となっています。例えば、一般的に病院等で行われる健康診断では、よくメタボリックシンドロームなどの生活習慣病予防として下記の通りの血液検査が行われています。

特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準に基づく
特定保健診査に該当する血液検査

対象者・・特定健診の実施年度に40歳から75歳未満が対象

検診項目 該当基準
中性脂肪 150mg/dl以上
HDLコレステロール 40mg/dl 以下
空腹時血糖値 100mg/dl 以上
HbA1c 5.2%以上
ヘマトクリット値 男性 37~48%以外 女性 32~42%以外
血色素(ヘモグロビン量) 男性 13.0g/dl 以下 女性 12.0 g/dl 以下
赤血球数 男性 410~530×104/μl以外 女性 380~480×104/μl以外

http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/dl/info03i-2.pdf
参考文献:厚生労働省「特定健診及び特定保健指導の実施に関する基準」に関する大臣告示:
健診項目及び実施の基準より

  上の表では、それぞれの検診項目の、該当基準の数値を超えたり、足りなかったりすると、様々な疾病にかかる恐れがあるので、何らかの対策を立てなければなりません。また、会社勤めの人に対しても疾病にならずに元気に過ごせるように下記の血液検査が法令で課せられています。

労働安全衛生法に基づく健診(定期健康診断)における血液検査

対象者・・事業者が常時使用している労働者

検診項目 該当基準
中性脂肪 150mg/dl以上
HDLコレステロール 40mg/dl 以下
LDLコレステロール 120mg/dl 以上
空腹時血糖値 100mg/dl 以上
HbA1c 5.2%以上
GOT 31u/l 以上
GPT 31u/l 以上
γ‐GTP 31u/l 以上
血色素(ヘモグロビン量) 男性 13.0g/dl 以下 女性 12.0 g/dl 以下
赤血球数 男性 410~530×104/μl以外 女性 380~480×104/μl以外

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/080123-3.html
参考文献:労働基準局ホームページ 労働安全衛生法に基づく定期健康診断等の項目の改正についてより

  更に、子どものメタボリックシンドローム予防としては、「小児メタボリックシンドローム診断基準」として、血圧や腹囲の他、下記の血液検査の指標があります。

検診項目 該当基準
中性脂肪 120mg/dl以上
HDLコレステロール 40mg/dl 以下
空腹時血糖値 100mg/dl 以上

注)中性脂肪が120mg/dL 以上ないしHDL コレステロール40mg/dL 未満である、空腹時血糖値においては、採血が食後2 時間以降である場合は中性脂肪160mg/dl 以上、血糖110mg/dl 以上を基準としてスクリーニングを行う(この食後基準値を超えている場合には空腹時採血により確定する) (厚生労働省研究班2010.3 より)

パフォーマンス向上のためにも血液検査は欠かせません。

  これらの血液検査の項目が指標となっている理由は、食事や運動によって血液の状態は変ることができるからです。良い食習慣や運動習慣を得ることで、悪かった血液の状態が良くなるわけですね。血液の中身(成分)は、その人の生活習慣などを物凄く正直に表します。
「私は運動してるから大丈夫」だと言っていても、実際には運動量が少ないケースもよくありますし、「食事はいつも気を付けている」と言いながらも、唐揚げにマヨネーズをたっぷりとかけている人もいるわけです。しかし、血液はそれらを如実に様々な数値で示してくれますので、ごまかしが効かないわけですね。

  実は、メタボリックシンドロームのような生活習慣病予防に必要な血液検査項目があるように、アスリートがパフォーマンスを改善させるためにも、必要な血液検査項目があります。つまり、血液検査を行うことで、自分のパフォーマンスの根源である、身体の現状を詳細まで把握することができ、それを改善することで、練習の質が変わり、そこからパフォーマンス改善へ向けての戦略が立てられるのです。

  例えば、ある県の国体選手に課せられているメディカルチェックの血液検査項目は、以下の通りです。

赤血球数、白血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、
MCV、GPT、GOT、LDLコレステロール、
血清鉄、血清尿素窒素、クレアチニン、血糖値など

  生活習慣病予防対策の指標の血液検査項目とは、少し異なる項目が並んでいることが分かりますね。しかし、ここに挙げた全ての項目が、選手のパフォーマンスを改善させる鍵になっています。

  もちろん、これ以外にも選手の状態を改善する鍵となる血液検査の指標もあります。

  今まで、体力チェック、体重、体脂肪測定で自身を変える努力をしてきた選手の皆さん!毎年の健康診断が終わり、データを戻されるたびに憂鬱な気持ちになるマスターズスイマーの皆さん!(笑)フリースタイルでは、選手の方へ血液検査をお勧めしています。血液検査結果から食事の調整をどのようにしていくかを、分かりやすく、且つ現場で取り組みやすいことからアドバイスをしています。

  今度は、血液検査で自分の身体を変えてみませんか?

※Webサイトに掲載の見出し・文章・イラスト・写真・商標の無断転載を禁じます。

今井愛(いまいあい)管理栄養士

今井愛管理栄養士

神奈川県鎌倉市出身。今井愛食生活事務所 所長。フリースタイルがトレーニングマネジメントしてきた競泳選手をはじめとして競輪、スピードスケートなどの世界と戦うトップアスリートの食事と体調管理のサポートを担当。的確なアドバイスでアスリートらの競技力向上に多大に貢献している。血液検査のデータから読みとる選手の体調管理とトレーニングとの相関関係の分析には定評があり、日大文理学部の野口智博教授からの信頼も厚い。「食から元気に!」をモットーに神奈川県を中心に、神奈川県体育協会、横浜市体育協会、市町村等に、スポーツ栄養支援や食育活動を行っている。

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